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認識しなさい

 今日は上野でフレマのオフの予定であったが、仕事が入って車で30分ほどのところへ。予想以上に話が盛り上がり、帰りは夜になった。

 遅くなったことは幸運。帰りの進行方向に花火が見え、早速お手軽な観覧場所を探す。程なく工事中の道路がみつかり、そこでは路肩に車を停め、座席を倒すだけで側窓から花火を眺められた。そこは穴場中の穴場とも言えそうなところで、寝転がって見なければならないほど花火が近かった。
 予想外の今年4回目の花火見物。仕事さまさま。毛呂山町サマーフェスティバルの一イベントで、1時間・1,000発強だと思うけど、止め処なく揚がるので見ごたえがある。
 車の中から花火を見られたので、終了後の動き出しは早い。渋滞が始まる前に、いや渋滞は起きなかったかもしれないけど、速やかに離れられた。田舎の花火バンザイだ。

 夕食はどこで食べようかと考えながら、車は我が家から数kmの真新しい正にニュータウンに入った。近年、住宅も店舗も急速に増えているところだ。
 そのほぼ中心部で信号待ち。私は3台目。車道、歩道ともとても広く、ゆったりとした造り。交差点の向こう側の横断歩道を、左側から子供が走り抜けた。青信号とは言え、わき目も振らずに渡るのは危ないなぁと思った。走り抜けた先はローソンの青と白の眩しい照明。まるで、明かりに突進する虫のようだと思った。
 ローソンに用があったと思ったその子供は店の前でUターンし、すぐにまた同じスピードで車道に向かった。今度は横断歩道ではなく、私の車の対向車線で信号待ちしている車の2台目と3台目の間辺りをすり抜けるように。直進車の列、右折車の列を越え、そこで一旦止まって安全確認してくれると思った。私の車線の先には次々に左折車や右折車が入っていたので、その子が止まらず走り抜けたらいずれかの車にぶつかってしまう可能性は大だ。でも、その子は全力で走り抜けようとした。止まらなかった。動いている車の前後をすり抜けることは、残念ながらできなかった・・・

 ドンという音は聞いたような、聞かなかったような。右折後の加速中の車がノーブレーキの状態のところに頭から突っ込み、頭の辺りだけがぶつかった直後にヒラヒラと横回転しながらその子の体は吹っ飛んだ。ぶつかると思っていたら、本当にぶつかってしまった。

 ぶつかった右折車は赤信号ギリギリで入っていたので、すぐにこちらが青信号になった。事故に一番近かった対向車線の車は、冷たくもすべて走り去ってしまった。こちらの車線に止まっていた私の車までの3台が路肩に停まり、対処を始めた。
 事故のときは被害者を動かさないのが鉄則だけど、動転した運転者が抱きかかえて歩道に運んでしまった。小さな子供を夜の道路の真ん中に置いておけなかった気持ちも分からないではないが。
 誰かが携帯電話で救急車を呼んでいるようだったので、私は子供のところへ。細身の少年だった。痛い痛いと泣き叫んでいて、ちょっとだけホッとした。誰かが自分の毛布を持ち出して掛けたが、それを丸めて頭の下に敷いた。そして、抱きかかえていてくれた人に、その毛布の上に頭を降ろすように言った。事故直後はどうしようもなく痛く、善意で抱かれていてもちょっとした揺れが響く。むしろ、動かない地面の上に転がされたほうが楽だと、経験上知っている。
 暗くて外傷が見えなかったけど、毛布が頭からの出血でみるみる赤く染まってく。私の手も、血で赤くなった。

 救急車がなかなか来ない。いつも、この時間がもどかしい。いつもより時間が長く感じていることは分かっているけど。私のときもそうだった、日本の救急車はのんびりしてる。
 痛い痛いと泣き叫ぶだけだったが、少しずつこちらの呼びかけに反応できるようになった。7歳だった。小学二年生だ。名前が4文字で、最初それは名字だけだと思ったが、姓名が2文字ずつだと分かったところで別の少年が近づいてきた。
 「○○だ」その少年が発した名前が本人が訴えたのと同じだったので、ちょっとホッとした。ラッキーだ。この近所の子だと思い込んでいたのだが、被害者はその少年の弟だった。母親はローソンの向かいにあるスーパーマーケットで買い物中ということで、その少年と駆け込む。ちょうど清算が終わったところだったらしく、「○○君がそこで事故に遭いました、来てください」と告げて一緒に駆け出した。
 母親が取り乱したらどう対処しようと考え始めたが、息子が大声を上げて泣いているのにちょっと安心してか冷静だった。そこに最初に到着したのは救急車ではなく、警察だった。

 警察の実況見分は簡単だった。運転手は何が何だか分からないとちょっと怒り気味だったけど、ぶつかったのはあんただ。運転手自身は事故をほとんど認識できていないようだったし、一部始終を見ていたのは私 だけだった。あぶなそうな子供だなと思って、ずっと注目していたのだから。

 被害者の容態が気になる。泣き叫んでいたけど、ノーブレーキの車にぶつかったのは頭だ。出血もかなりあった。耳の後ろ辺りを切っただけだと信じたいけど・・・
 こういう事態に遭遇したとき、その状況が酷ければ酷いほど、目を背けず、積極的に関わろうとしている。神様が、今日はオフに参加するのではなく、ちゃんと見ておけと言っているのだと思う。話を盛り上がらせ、花火を使って事故の直前までその場に留まらせ、事故はこうして起きるんだと見せてくれた。
 信号待ちの車で死角ができやすい右折時は、同じく死角でこちらを認識しにくい歩行者が飛び出すかもしれない。自分の子供には、信号が青でも走ってはいけないことを教えねばならない。
 少年の手には、水ヨーヨーが握り締められていた。先の花火があったサマーフェスティバル参加後で、かなりハイになっていたんだろうな。そんな子供の様子に親はいち早く気づき、目を離してはいけないんだろうな。

 最後まで読んでくれた人、ありがとう。a0010814_545752.jpga0010814_5451962.jpg
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by Hiko_23 | 2004-08-21 23:59 | 日記